2013年7月25日木曜日

なぜスタジオジブリは3年も新卒採用を行っていないのか

※追記:2ちゃんねるのスレッド「スタジオジブリ に就職したい!」を見ると、2009年度と2010年度も採用を行っていたようなので、タイトルと内容を「5年も新卒採用を行っていないのか」→「3年も新卒採用を行っていないのか」に修正しました。

 7月24日に「興収100億超え? 宮崎駿監督『風立ちぬ』はどう宣伝されているのか」というエントリを書きました。いろいろ調べていて、ちょっと驚いたのがスタジオジブリが7月9日に発表していた↓の告知です。



 研修生募集と書いてはいますが、一般的な会社の新卒採用と考えていいでしょう。

 新着情報をさかのぼると、2011年度2012年度も研修生募集を見送っていたことが分かります。ちなみに2011年度と2012年度は6月1日にリリースを出しているので、7月9日に出した今年はもしかすると採用するかもしれないという心積もりもあったのかもしれません。

 リリースを見る限り、美術館などの採用を除いて、アニメーターの新人採用を最後に行ったのは2008年9月。トヨタ自動車と組んだ西ジブリ設立時にまでさかのぼります。また、2ちゃんねるのスレッド「スタジオジブリ に就職したい!」を見ると、2009年度、2010年度にも採用があったようです。

 普通の会社なら新卒採用を3年も停止するというのは、なかなかの大事件であるはずです(リリース通りに採用が行われているという前提ですが)。



 新卒採用を停止する場合、いくつかの理由が考えられます。

(1)経営不振で新人を雇う余裕がない
(2)現在の仕事量に対して人員が十分で、今後、仕事が増える見込みがない
(3)新卒より、中途や派遣の活用を考えている

 2008年は7月公開の『崖の上のポニョ』が興行収入155億円の大ヒットを記録した年。その後、2010年の『借りぐらしのアリエッティ』(米林宏昌監督)が92.5億円、2011年の『コクリコ坂から』(宮崎吾朗監督)が44.6億円と右肩下がりになっていることを考えると、(1)が当てはまるように思えます。

 2013年3月期のスタジオジブリの決算公告を見ると、利益剰余金の94.52億円に対して、当期純利益は5.1億円。利益剰余金というのは今までの利益の積み重ねで、当期純利益は2012年4月~2013年3月にあげた利益のこと。利益剰余金には余裕があるのですが、当期純利益はそこまで伸びていないですね。何となく任天堂と似たような雰囲気を感じます。

 2013年は宮崎駿さんが『風立ちぬ』で『崖の上のポニョ』以来の監督を務めるので、大ヒットを見込んで当初は採用をしようとしていたものの、試写会などでの評判が悪いので、採用を急きょとりやめた……というのは僕の邪推でしょうか。

 まあスタジオジブリは社員数300人と結構な大所帯なので、宮崎駿監督の引退を見込んでの(2)という可能性もありえるわけですが。

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興収100億超え? 宮崎駿監督『風立ちぬ』はどう宣伝されているのか

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